特定非営利活動法人 紙飛行機サイエンス 設立趣旨書



今日においては、子どもの理科離れによる技術立国日本の将来に不安があることが
多方面で取り上げられ、議論されています。一方、親子のコミュニケーションの不足
による世代の断絶や家庭での不幸な事件も残念ながら報道されています。テレビゲーム
やインターネットなどが家庭や子どもの生活の一部になりつつある中で、遊びの中で
科学技術に触れ、考えることやフェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションを自然に
とれるような場面や機会が極めて少なくなっていることが問題であると考えています。

 このような問題について、幼児から大人、熟年層までが幅広く楽しめる趣味として
広まっている紙飛行機を媒介として、子どもには遊びながら科学する心を醸成し、
世代を超えたコミュニケーションをとれるようになることを望ましい姿と考えます。

 これまで、私たちは、学校、地域での紙飛行機教室や、全国各地での紙飛行機競技
会や地域活性化のイベントに協力してまいりました。
主な活動は次の通りです。

1998年5〜7月 岡山県玉野市「鳥人幸吉紙飛行機フェスティバル」運営指導
2000年〜2005年 埼玉県川越市児童センター子どもの城 親子紙飛行機教室
  全15回
2000年6月 青森県三沢市商工会での「ミスビードル紙飛行機シンポジウム」講師
2001年7月 玉川大学工学部での紙飛行機教室
2002年8月 東海大学工学部での紙飛行機教室
2002年4月 宇宙航空青少年団での紙飛行機教室
2003年7月 岡山県熊山町 幼稚園での紙飛行機教室
2004年7月 航空技術研究所(調布)での紙飛行機教室
2005年5月 都立航空高等専門学校での紙飛行機教室
2006年5月 江東区東大島文化センター 紙飛行機教室 
2007年3月 江東区立第三砂町小学校 5年生紙飛行機製作指導

これらのほかに、都内の児童館、文化センターなどからの要請に応じ、年平均5回
程度の紙飛行機教室へ講師を派遣しています。そこで、私たちは「特定非営利活動法人
紙飛行機サイエンス」を設立し、紙飛行機をコアに、子どもから大人・熟年層までを
広く対象にした紙飛行機教室やイベント、サイエンス・エンターテイメントなどの開催
や指導を通して、科学技術の振興、子どもの健全育成、および世代を超えたコミュニ
ケーションの活性化に寄与する活動を通じて、広く公益の増進に貢献しようとするもの
であります。

 しかし、活動を実施する上で、教材開発や研究に必要な設備や材料の購入や様々な
契約に支障がでることも予想されるために、法人化は最優先課題です。さらにこの会
ではすべての役員がボランティアで参加しており、営利を目的とする団体ではないので、
いわゆる会社法人は似つかわしくありません。また、科学技術の振興、子どもの健全育成、
および世代を超えたコミュニケーションの活性化に寄与することを目的とする観点から、
特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えています。特定非営利活動法人の設立
により、これまで紙飛行機を紹介する機会や場面が増えるとともに、より質の高い指導を
提供すべく、活動を推進する所存であります。


理事長 小松秀二